書店

紀伊國屋で、と書いたが、米国には本当に紀伊國屋があるのだ。もちろんものすごく品揃えがいいわけではないし、書籍の入荷も決して早いわけではないから、Kindle で買ったほうが安くて早い、ということはままあるけれど、わたしのような、物質としての上にフェティシズムを感じ、本屋に行くということ自体に高揚感を覚えるような輩にとっては、それでも日本語の書店は天国なのである。

この国に来てちょうど一ヶ月ほどが経った。大体の書類仕事も終わり、東京においてきたものの整理も、徐々に終わりつつある。あの東京の喧騒から遠く離れて、ここに住んでいると、雑音が耳に入ってくる、ということがあまりない。仕事はそれなりにあるが、かといって、人生について、あるいはこれからやらねばならないことについて、考える時間もちゃんと確保することができる。

カーン・アカデミーで高校数学の勉強を始めた。わたしのようなものにとっては、ありがたいカリキュラムだ。