はてなブログ

日記は基本的にこちらに書いてきたが、そろそろはてなブログを使ってみても良いか、と思い始めてみた。http://knagayama.hatenablog.com/

書店

紀伊國屋で、と書いたが、米国には本当に紀伊國屋があるのだ。もちろんものすごく品揃えがいいわけではないし、書籍の入荷も決して早いわけではないから、Kindle で買ったほうが安くて早い、ということはままあるけれど、わたしのような、物質としての上にフ…

山の見える町

東京から出たことはブログで既に書いた。日本人には日記のほうが向いている、ということを以前言った人がいるけれど、それは割とあたっていると思う。ああやって題をつけると、りっぱなことを言わなければならないような気がしてくるのだ。こうやって、あま…

チューリヒ

今日はチューリヒにいる。週末を過ごしたシチリアは焼け付くような日光と茶色く干からびた大地が印象的で、日焼け止めをきちんと塗っていなかった背中などにはまだ傷みが残るが、スイス最大の金融都市は陰鬱に曇っており、長袖にジャケットを羽織ってちょう…

上海滞在記 (1)

(文中に記載の通り様々なサイトにアクセスできないので、さしあたってダイアリーにアップする) 18 Jan 2013 上海行き当日。深夜から準備を始めて、最終的に就寝したのは3時といったところだったろうか。旅行のための準備ほどおっくうになるものはない。旅…

つぶやき

いつもできれば正しいことを、そうでなければ楽しいことを、行いたいとはおもってきたが、もはやわたしには、自らの正義も、自らの欲求も確かにはわからぬ。社会的なものへと参与していくことこそが正義と考えて、ヰタ・アクテワを気取ってみたが、どうにも…

欲望

わたしはわたしにすら理解されることを拒んでいるようにしか思えぬ。

父の夢を見た

何年経っても声というものは覚えているものだ。

倫敦にも秋が来た

、のであらうか。気付けばわたしは帝都から帝都へと移動していた。季節は過ぎ去り白い冬が近づく。ひとすじの風がビルの間に立つわたしを取り囲んで、むきだしの耳をびゅうびゅうとならした。わたしはひとり息を吐いたがそれは白くなることもなくただのため…

覚書

A. 宛名のない手紙を書き続けるということが重要である:宛名は手紙にとっては単なる障礙物にすぎない。B. 観照的生の本質は過去へ投げかける視線にある:未来へと投げ出されてあることを生きるということが活動的生の根幹にある。C. 社会的なものは性的なも…

大江戸検索録

さて仕事を始めて2週間が経過した。考えることは以前とあまり変わっていない。即ち浪漫主義者でありながらも社会へと参与していくことがいかにして可能か。吾々はキルヒェとゼクテのあいだでいかにして生きるべきなのか。私はいまでもヴェーバリアンだ。一…

Google Launches Games

スペイン語翻訳マラソン。今日のお題は Google+ estrena juegos | Navegante | elmundo.es。 Sentence Google+ ya ofrece juegos. La nuvea red social del bkuscador ha incoporado un nuevo catálogo de juegos que incluye titulos como 'Angry Birds', '…

Restabilised the cooling system in all the reactors of Fukushima

最近全然こちらを使っていないので、スペイン語の翻訳の練習でもすることにしたい。今日はこの記事。比較的いいニュースだ。 Restablecen el sistema de refrigeración en todos los reactores de Fukushima La Compañia de Energía Eléctrica de Tokio (TEP…

世界ランド

書き物はフットボールに似ている。場が動いているとき、最適解はほぼひとつしかない。けれども場がいったんリセットされてキックオフが始まろうとするとき、どのようなボールを蹴り出すのが良いのかはわからない。しばらくものを書いていないと、自分の文体…

ブログを整理する

色々と考えていると、実のところ、この日記がいちばん中途半端な位置にいる。The Long Wait – 羽を射て石を飲むは真面目なところを書く場所。 knagayama の日記は日記を書く場所。とすると、この日記は一体なにを書けばいいのだ。

倫敦にも春がやつてくる

しばらく日記を書いていなかった。ここ一、二ヶ月でヨーロッパの都市をいくつか廻った。バルセロナ、パリ、アムステルダム、プラハ、などなど。もとより旅行が好きなタイプではないが、なかなか悪くない体験であった。試験が終わった。成績は11月までわか…

金融の人類学と時間性

Miyazaki, Hirokazu. 2003. The Tempralities of the Market. In American Anthropologist 105(2): 255-265. とても面白かった。本論文は、日本の証券会社で働く人々の時間性に着目するものである。宮崎は、社会理論家は、知識形成を駆動する時間的不和 temp…

ソ連崩壊直後のロシア地方経済

Humphrye, Caroline. 2002. "Icebergs," Barter, and the Mafia in Provincial Russia. In The Unmaking of Soviet Life. Ithaca: Cornell University Press. ソ連崩壊後の地方経済はそれぞれ「氷山」と呼ばれる、マフィアと関係しながら経済的にある程度自…

イスラーム法、社会規範、ロカリティ

Bowen, John. Forthcoming. Fairness and Law in and Indonesian Court. 本論考は、社会的規範がどのように法的理由付けに影響を与えるか、という観点から、インドネシアのイスラーム法廷におけるとあるケースを叙述したもの。インドネシアには市民法に基づ…

燈臺下暗し

大槻ケンヂはかつてサーチライトになりたいと歌ったが、わたしはできることなら灯台になりたいと思う。サーチライトは月の光と共にタイト・ロープを照らす。それが光るのには確固たる理由がある。あなたの行く先を照らしたい。その道はわたしはいっしょに行…

アジア主義と文明の言説

Duara, Prasenjit. 2002. Sovereignty and Authenticity: Manchukuo and the East Asian Modern. Oxford: Rowman and Littlefield Publishers. Chapter Three, Asianism and the New Discourse of Civilization. 本章では、ヨーロッパに端を発する「文明」の…

『秩序と歴史』

以下は、エリック・フェーゲリン「秩序と歴史」第一卷『イスラエルと啓示』で示された研究プログラムの素描の要約である。 Voegelin, Eric. Introduction: The Symbolization of Order, in Order and History, Volume I, Israel and Revelation. 第一巻で提…

経済学は市場の境界と戯れる

Mitchell, Timothy. 2007. The Properties of Markets. In Mackenzie, D. A., Minesa, F., and Siu, L. (Eds.) Do Economists Make Markets?: On the Performativity of Economics. Princeton: Princeton University Press. 経済学に対する比較的よく見られ…

自己構成的自己の矛盾

Jungans, Trenholme. 2001. Marketing Selves: Constructing Civil Society and Selfhood in Post-socialist Hungary. Critique of Anthropology 21: 383-400. 共産主義が崩壊したあとのハンガリーでは、「市民社会」を形成するために様々な西側のグループが…

ポーランドにおける標準化と自己形成

Dunn, Elizabeth C. 2005. Standards and Person-Making in East Central Europe. In Ong, Aihwa, and Stephen J. Collier (Eds.) Global Assemblages: Technology, Politics, and Ethics as Anthropological Problems. Oxford: Blackwell Publishing. 共産…

動物だって言葉を話す

Nasady, Paul. 2007. The Gift in the Animal: The Ontology of Hunting and Human-Animal Sociality. American Ethnologist. 34(1): 25-34. 狩猟採集を行う人々が生き物を殺すとき、それが動物との交換関係の上に成立していると考えられていることは広く認…

滿洲國の矛盾

Duara, Prasenjit. 2002. Sovereignty and Authenticity: Manchukuo and the East Asian Modern. Oxford: Rowman and Littlefield Publishers. Chapter 2: Manchukuo: A Historical Overview 第二章は、滿洲國をいかにして東アジア近代史の中に位置づけるか…

ソ連崩壊後の経済におけるローカリズムと交易

Humphrey, Caroline. 1999. Traders, "Disorder," and Citizenship Regimes in Provincial Russia. In Buraway, Michael and Katherine Verdery (eds.) Uncertain Transition: Ethnographies of Change in the Postsocialist World. Oxford: Rowman & LIttle…

東アジア、帝国主義、ナショナリズム

Duara, Prasenjit. 2002. Sovereignty and Authenticity: Manchukuo and the East Asian Modern. Oxford: Rowman and Littlefield Publishers. 少し本腰をいれてこの本のレビューを行うことにした。滿洲國についての語りを始めるに当たって、本書が開始点と…

認識論から存在論へ

Castro, Eduardo Batalha Viveiros de. 2004. Exchanging Perspectives: The Transformation of Objects into Subjects in Amerindian Ontologies. Common Knowledge 10(3): 463-484. 面白かった。西ヨーロッパで発達した認識論および存在論を北アメリカで発…