社会科学における日本のプレゼンス

UnderstandingSociety でこんな記事があったので紹介。

先月、International Social Science Council (ISSC) は世界中の社会科学の現状についてのレビューをリリースした。このレポートは UNESCO によって委任されたもので、ファンドの一部分もそこから出ている。レポートは全て PDF で公開されている。これは非常に重要なものだ。ヨーロッパ、北アメリカ、中東、アフリカ、ラテンアメリカ・カリブの主要な社会科学者及び社会科学研究機関のトップがエッセイを書いており、世界のほぼ全地域において、どのような制度やファンディングが存在し、いかにコラボレーションが行われているかを大まかに示している。(イスラエルについて一言も触れられていないという事実は興味深い。)

Understanding Society: International social science

World Social Science Report | United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization がそのレポートだ。執筆陣は、Craig Calhoun をはじめとして、Akhil Gupta や David Harvey、Saskia Sassen といった著名な社会科学者を含んでいる。個人的に興味深いな、と思うのは、例えば Laurent Jeanpierre の "The international migration of social scientists" なんか、とても面白そうだ。

で、問題は、イスラエルについてもそうなんだけど、日本についてほぼ触れられていないこと。中国が非常に大きく取り上げられる一方で、日本について詳しく述べられているのはたったの2頁(444頁あるレポートであるにも関わらず)。ちょこちょこ統計なんかで日本という国名は上がっているし、ヨーロッパ諸語以外では上位にランクインしているはずなのだが…この体たらく。どうしたものか。

そもそも Editorial Board に日本人が一人もいないのが問題なのだろうか。中国人やイラン人はいるのになあ。