ポーランドにおける標準化と自己形成

Dunn, Elizabeth C. 2005. Standards and Person-Making in East Central Europe. In Ong, Aihwa, and Stephen J. Collier (Eds.) Global Assemblages: Technology, Politics, and Ethics as Anthropological Problems. Oxford: Blackwell Publishing.

共産主義が崩壊したあとのポーランドでは、当初の政府の目論見とは真逆に、ブラック・マーケットが存在し続けている。政府の規制に準ずる製品を製造するミエソの精肉工場からそう遠く離れず、 Przemysl のバザールでは、農家から出荷されたソーセージや肉類が売られ続けている。欧州連合ポーランドEU参加のために導入させた「標準化」は、その思惑とは異なり、ポーランドの農業に奇妙な状況を生み出している。標準化と会計監査によって規制された農家は、結果として2/3がフォーマルな市場からの撤退を余儀なくされた。それは単なる制度的問題にとどまらず、欧州の理想化された他者と、社会主義の現実に今でも残り続けるポーランド人の奇妙な二項対立を作り出している。

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