Politics

なぜ経済学者が…

昔書いた文章を発掘したので、妥当性は分からないがあとで読むためにおいてこう。むかしフランスにのち重農主義者 Physiocrats と呼ばれる経済学者(彼らは自分たちのことを économistes と呼んでいた)たちがいて、コルベールの重商主義を批判して農業重視…

政治について語ろう

日本ではしばしば政治について語ることそのものが大人らしい振る舞いではないという認識が蔓延っている。けれどもそのような認識こそがそのまま政治の privatization を加速させているように思われる。そこでは政治が公的なものではなく私的なものとして取り…

なぜ TRIPS は問題なのか?イノベーションとグローバル・ジャスティスの間で

Philosophy Bites という Podcast にポッゲのインタビューが出てきたので、それについて少し書こうと思う。 Thomas Pogge and TRIPS WTO 設立協定の一部として TRIPS という協定がある。Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights…

肉体の知識と帝国の権力

試験中だが訳者から頂いたので紹介。肉体の知識と帝国の権力 人種と植民地支配における親密なるもの作者: アン・ローラ・ストーラー,永渕康之、水谷智、吉田信出版社/メーカー: 以文社発売日: 2010/01/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を…

マイケル・サンデルのハーバード大での政治哲学講義

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PACSで彼女ができました

タイトルはホッテントリメーカー。Civil unions and straight marriage — Crooked Timber で、結婚を巡ってちょっとおもしろいデータが出てきている。フランスで1999年可決された法案に PACS 法というものがある。これは le pacte civil de solidarité の略…

カントとホッブズ

The Rights of War and Peace: Political Thought and the International Order from Grotius to Kant作者: Richard Tuck出版社/メーカー: Oxford University Press発売日: 2001/10/04メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見るドイツの哲…

日本辺境論とその批判

この間も書いたが、日本辺境論に対する批判について少し頭の中で整理できたので書く。 フェーゲリンの「断絶」に関する論文がさっぱり進まないので、アルパードとメールする。未だに彼の名字をどう日本語表記すればよいのかわからない。そもそもどう発音すれ…

ブレナー論争について

以下は、Understanding Society: The Brenner debate revisited の大体訳*1である。経済史の分野において過去35年間で最も重要な論争の一つがブレナー論争だ。ロバート・ブレナーは Past and Present 誌において、1976年に「前産業化時代のヨーロッパにおけ…

日本辺境論は人類学である

日本辺境論 (新潮新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/16メディア: 新書購入: 29人 クリック: 793回この商品を含むブログ (355件) を見るこの前『構造主義的日本論 こんな日本でよかったね (文春文庫)』を出したばかりの著者が送る日本…

零八憲章

中国で逮捕されていた劉暁波(りゅう ぎょうは)が11年の禁固刑に処されることになった:In Sentence of Activist, China Gives West a Chill - NYTimes.com。社会学者のダニエル・リトルもこの記事をカバーしている:Understanding Society: Repression in …

エリック・フェーゲリンについて

大学は学園祭期間中。全く関係なく家で論文を書いている。エリック・フェーゲリン(1901 - 1985)の政治思想についてだ。フェーゲリンは、その思想の重要性にもかかわらず、日本においてはほぼ無視されている思想家だ。ウィーン大学で法学、政治学、哲学を学…

Prescription

Writing prescriptions for the society that they live in is one of the important goals of a philosopher. Despite its inclination to set forth the truth, philosophy does not offer the truth in a symbolic form. Of course, prescriptions are do…