Philosophy

マルクス的人類学について

風邪で倒れながらも今日は日本でお世話になった先生が倫敦にいらっしゃったのでお会いしてきた。話ながら少し考えたことを覚え書き程度にまとめておきたいと思う。LSE 人類学の長老、モーリス・ブロックはマルクス主義人類学の大家である。彼は主に東アフリ…

ねじれ…

メモ 学部生の頃に書いた文章のサルベージ第二弾。こんなことを考えていたのだ。問題の根底は近代性そのものに、無限の上昇の夢に、自らの暴力性の無視にある…おや。この文章は僕がエリック・フェーゲリンを読み出す前に書かれたものだが、既にそこにはフェ…

Quotes

書くことはいくらでもあるはずなのに、日記になるとどうもうまくことばを綴れなくていかんね。最近気になった引用でも、貼っておくよ。 歴史の可解性とは、かりそめの内面性にくっついている幻である。しかしながら、人間はこのかりそめの内面性から解放され…

西洋古典学事典が発売された

買わねばならぬ。西洋古典学事典作者: 松原國師出版社/メーカー: 京都大学学術出版会発売日: 2010/06メディア: 大型本購入: 2人 クリック: 44回この商品を含むブログ (13件) を見る中務哲朗京大名誉教授の紹介文がすごい。このような文章を書いてみたい。 松…

フーコーについての覚え書き

物語る主体の絶対的な不能性こそがフーコーのアプローチを彩っている。彼のセックスライフについて私は多くを知らないが、〈真実〉という一点において彼は不能である。 ... mine is the embarrassment of one who has only sketches and uncompletable draft…

なぜ TRIPS は問題なのか?イノベーションとグローバル・ジャスティスの間で

Philosophy Bites という Podcast にポッゲのインタビューが出てきたので、それについて少し書こうと思う。 Thomas Pogge and TRIPS WTO 設立協定の一部として TRIPS という協定がある。Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights…

マイケル・サンデルのハーバード大での政治哲学講義

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The significance of the 'break' of later Eric Voegelin

Voegelin experiences an important 'break' during the composition of the fourth volume of his magnum opus, Order and History, titled The Ecumenic Age. Even though Voegelinians like Michael Franz argue against the existence of the 'break' in…

釣りとマルクス

2ch的な意味の釣りではなく。 パリ・コミューンとマルクスの問題は難しいのだけど、大筋でいうなら、社会主義というのは資本主義、ここでは市場の上に成立するものだから、市場のもつコミュニケーション機能を止揚した形で行われる。マルクスでは、市民のass…

カントとホッブズ

The Rights of War and Peace: Political Thought and the International Order from Grotius to Kant作者: Richard Tuck出版社/メーカー: Oxford University Press発売日: 2001/10/04メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見るドイツの哲…

日本辺境論とその批判

この間も書いたが、日本辺境論に対する批判について少し頭の中で整理できたので書く。 フェーゲリンの「断絶」に関する論文がさっぱり進まないので、アルパードとメールする。未だに彼の名字をどう日本語表記すればよいのかわからない。そもそもどう発音すれ…

フェーゲリンとレヴィナス

昨日レヴィナスの熱心な読者である内田樹の書を紹介したので、少しフェーゲリンとレヴィナスの関係について。彼らが実際に会ったという事実はない。フェーゲリンはナチスによるオーストリア併合(アンシュルス)の後米国に渡っており地理的にも遠く、また当…

日本辺境論は人類学である

日本辺境論 (新潮新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/16メディア: 新書購入: 29人 クリック: 793回この商品を含むブログ (355件) を見るこの前『構造主義的日本論 こんな日本でよかったね (文春文庫)』を出したばかりの著者が送る日本…

フェーゲリンにおける「想像力」の問題

またフェーゲリンに関する記事。最近はずっとフェーゲリンの思想について考えているので、仕方のないことなのだが、すっかりフェーゲリンとフーコーに関するブログになってしまっている。どうでもいいけど、「クリスマス」の「マス」は「誕生日」の意。聖ミ…

ミシェル・フーコー『社会は防衛しなければならない』1976年3月17日

ミシェル・フーコー講義集成〈6〉社会は防衛しなければならない (コレージュ・ド・フランス講義1975-76)作者: ミシェルフーコー,Michel Foucault,石田英敬,小野正嗣出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/08/01メディア: 単行本 クリック: 36回この商品を含…

フェーゲリン・アレント論争について

ありがたいことにフェーゲリンに興味を持っている方がおり、トラックバックをいただいた。その中で、フェーゲリンとアレントの論争について少し触れられていたので、その論争の詳細を、少し前に書いた文章を多少手直しして論じたいと思う。ちなみに、この論…

ミシェル・フーコー『社会は防衛しなければならない』1976年3月10日

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ミシェル・フーコー『社会は防衛しなければならない』構成

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ミシェル・フーコー『社会は防衛しなければならない』1976年1月28日

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上位の何か

最近見た映画の中の一つのせりふ。映画自体はどうでもよかったのだけれど、カトリックの神父が、主人公の女性に対して「信仰とはね、キャシー、自分より上位の何かを信じるということだよ。愛とか、希望とか」といったようなことを(正確には覚えていないけ…

エリック・フェーゲリンについて

大学は学園祭期間中。全く関係なく家で論文を書いている。エリック・フェーゲリン(1901 - 1985)の政治思想についてだ。フェーゲリンは、その思想の重要性にもかかわらず、日本においてはほぼ無視されている思想家だ。ウィーン大学で法学、政治学、哲学を学…

Prescription

Writing prescriptions for the society that they live in is one of the important goals of a philosopher. Despite its inclination to set forth the truth, philosophy does not offer the truth in a symbolic form. Of course, prescriptions are do…