ポリオントロジカル・コスモロジ

Scott, Michael W. 2000. Ignorance is Cosmos; Knowledge is Chaos: Articulating a Cosmological Polarity in the Solomon Islands. Social Analysis 44(2): 56-83. 面白かった。ソロモン諸島のマキラ島に住むアロシ族は従来首長と戦士、秩序と混沌という…

人類学者・民族主義者・文化

Spencer, Jonathan. 1990. Writing Within: Anthropology, Nationalism, and Culture in Sri Lanka. Current Anthropology 31(3): 283-300. 人類学者による文化の研究は、ある文化の長期的な連続性というものを前提としている点で、しばしばナショナリストに…

BSR (Buddhist's Social Responsibility)

Seneviratne, H.L. 2001. Buddhist monks and ethnic politics. Anthropology Today 17(2): 15-21. 佛教は長らく平和的な宗教と見なされてきたが、スリランカにおいてはむしろ仏僧たちがタミル人に対する憎悪の担い手となっていたという。それは建国の父と崇…

アボリジニとは誰か?

Povinelli, Elizabeth A. 2002. Chapter 5, The Poetics of Ghosts : Social Reproduction in the Archive of the Nation. In The Cunning of Recognition. London: Duke University Press. 面白かった。1976年、アボリジニ土地法の施行によって、ノーザ…

佛教原理主義?

Obeyesekere, Gananath. 1995. Buddhism, Nationhood, and Cultural Identity: A Question of Fundamentals. In Marty, Martin E. and R. Scott Appleby (Eds.) Fundamentalism Comprehended. Chicago: University of Chicago Press, 231-256. 一言でいえば…

神話と歴史、ナショナリズムと佛教

Obeyesekere, Gananath. 1992. Myth and Political Legitimation at the Sacred Centre in Kataragama, Sri Lanka. In Bakker, Hans (Ed.) The Sacred Centre as the Focus of Political Interest. Groningen: Egbert Forsten. 本論文は、とある神の様々な解…

レイシズムの系譜學へ向けて

Stoler, Ann Laura. 1995. Chapter 3, Toward a Genealogy of Racisms: The 1976 Lectures at the Collège de France. In Race and the Education of Desire. London: Duke University Press. ミシェル・フーコーによる1976年の講義『社会は防衛しなけれ…

覚書

「わたしは理論家と言うよりも実験家です。わたしは様々な領域に適用可能な演繹的体系を発展させるようなことはしません。わたしが書き始めるとき、一番の目的は自らを変質させること、以前と同じようには考えないようになることです。」フーコー 既に知って…

植民地建設の親密圏と混血性

Bear, Laura. 2007. Introduction. Lines of the Nation. New York: Columbia University Press. イギリス系だが印度で生まれ育った人間、多く混血児、のことをアングロ・インディアンという。彼らはその混血性からインド社会において不安定な存在であり続け…

「発明された伝統」という言説

Briggs, Charles. 1996. The Politics of Discursive Authrity in Research on the "Invention of Tradition". Cultural Anthropology 11(4): 435-469. 読み辛かったが、非常に興味深かった。伝統の創造、という言説はしばしばその伝統を担っている人間から…

先住民であるということ

Conklin, Beth. 1997. Body paint, feathers, and VCRs: Aesthetics and auenticity in Amazonian activism. American Ethnologist 24(4): 711-737. 面白かった。文化のポリティクスの時代において、ラテンアメリカで先住民性がどの様に変質しているかという…

MBA

当選確率から見て、多分当たることはないのだが、 MacBook Air 11インチ欲しい! と書き込んでおこう。

明けましておめでとうございます

遅ればせながら新年の挨拶とさせていただきます。 昨年は何かとお世話になりました。今年もご指導ご鞭撻の程宜しくお願い致します。年末年始は日本におりまして、母のつくる雑煮をいただきました。うちは父方がもともと水戸の人間ですので、鶏肉、かまぼこ、…

冬だ

気が付けば12月。我々が真に誠実であろうとするならば、歴史家になるか、エスノグラファーになるしかないのかも知れない。

マルクス的人類学について

風邪で倒れながらも今日は日本でお世話になった先生が倫敦にいらっしゃったのでお会いしてきた。話ながら少し考えたことを覚え書き程度にまとめておきたいと思う。LSE 人類学の長老、モーリス・ブロックはマルクス主義人類学の大家である。彼は主に東アフリ…

つぶやき

早いもので11月ももう終わろうとしている。時が経つのは早い。あと数週間で一学期が終わってしまうのだ。驚き桃の木山椒の木。文体というのは不思議なもので、書く側は特に意識もしていないのだが、読む側になってみると不思議に立ち上がってくるものだ。

倫敦に冬が来た

倫敦の冬は寒く、暗く、長い。先週までは10℃〜15℃あった気温が、今週からは5℃〜10℃になった。近々0℃〜5℃になるのだろう。夏は15℃〜20℃と過ごしやすいのだが、冬はいかんせん、寒い上に日が出るのが8時、沈むのは4時。夏目漱石も鬱になるはずである。やること…

倫敦記

11月になった。最近起こったこと。友人が日本やガーナから倫敦を訪ねて来る。フランス人の友人が沢山できる。麻雀をプレイする機会が増える。など。学業面では、第二のエッセイの期限が迫っている。問いは、「How might anti-structural ideas and concept…

ふと見上げたロンドンの空は既に薄暗かったが、不思議なことに雲は見当たらなかった

今日はいい日だった。昼飯のためにレンジでパスタを茹でていたら容器をレンジから出す際に力加減を間違え、指を思いっきり火傷し、パスタを流しの中にぶちまけ、ああ、と思いながら容器を脇に置いてパスタを救出していたら、脇に置いた先がまだ熱い電気コン…

倫敦記

もうすぐ十月も終わってしまう。この一ヶ月で随分と人類学の古典には親しんだ。すぐに日記を書くのをサボってしまうのはよくない癖だ。いま私を悩ませているのは博士課程のリサーチ・プロポーザルである。修士論文の構想もまだ完全には固まっていないうちか…

ねじれ…

メモ 学部生の頃に書いた文章のサルベージ第二弾。こんなことを考えていたのだ。問題の根底は近代性そのものに、無限の上昇の夢に、自らの暴力性の無視にある…おや。この文章は僕がエリック・フェーゲリンを読み出す前に書かれたものだが、既にそこにはフェ…

倫敦記

気付けば一週間以上日記を書いていないことに気付く。少し色々ありすぎた。ようやく通常運転を開始。今日は結構読み進めた。また詳しく書く。

倫敦記

9月25日 朝、8時過ぎに起床。部屋の片付けなど。昼から @setaka に誘われて Broadway Market のフード・マーケットへ。ガーナ料理を屋台で食べ、サラミ、ベーコン、パテ、生ニョッキ(!)を購入。るんるんである。夜から Cambridge 時代の友人たちと合…

倫敦記

日記を書くと言うことは自分のために物語を用意すると言うことである。どのような文体で日記を書くかと言うことはそのままその人間のセルフナラティブに影響を与える。この文体は誰に影響を受けているのだろう? 9月24日 朝から学生証を取りに行く。登録…

なぜ経済学者が…

昔書いた文章を発掘したので、妥当性は分からないがあとで読むためにおいてこう。むかしフランスにのち重農主義者 Physiocrats と呼ばれる経済学者(彼らは自分たちのことを économistes と呼んでいた)たちがいて、コルベールの重商主義を批判して農業重視…

倫敦記

9月21日 髪を切りに行く。Shiroma なる美容院が家から徒歩1分の距離にある。この立地は相変わらず素晴らしい。だいぶさっぱりした。帰りにスターバックスでホットチョコレートを注文。店員と目が合い、少し話す。「明日遊び行くけど」と誘われたので快諾…

倫敦記

9月20日 前日は23時半に寝て、6時に起きる。 ここ数日はこのリズムが確定している。これからも安定させていきたい。朝起きると魔法のように23歳になっていた。結局10時まで家でネットを見たり本を読んだりして、それから大学へ。だいたい大学を全て回り…

倫敦記

9月18日 9時就寝、10時起き。12時間以上寝てしまった。それでも、体の節々が痛い。まだ完全に体調が戻っているわけではないようだ。昼からそばの Spitalfields Market で行われている「ジャパン祭り」に顔を出す。ちらし寿司、いなり寿司を食って、…

誕生日を迎えた

日本時間では。 20歳以来、日本で誕生日を迎えることができたのは去年だけ。20歳はスペイン、21歳はウィーン、22歳は京都、23歳はロンドンで、歳を重ねている。だいたい一人か、よくても二人。まあ、こういうものなのだろう。 22歳は激動の年だ…

倫敦記

こちらは日記を多めに書くことにする。 9月16日 ロンドンへ到着。夕餉はチキン。きっかり24時間の旅であった。疲労困憊し、タオルにくるまって就寝。 9月17日 やはり安眠できず、7時頃起床。しばしネットサーフィンなど。9時ごろ街へ出る。サブウ…